ドコモのツートップ戦略発表から1ヶ月半。その効果を考えてみた

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本日の日経の記事で、ドコモのツートップ戦略について興味深い記事がありました。
有料記事ですが、ドコモの今後のiPhone導入を占う上で重要なことが書かれていたので、取り上げてみたいと思います。

ドコモ、非情の決断 日の丸ケータイの終焉  :日本経済新聞

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気になるツートップ戦略の成否は?

ドコモがツートップ戦略を発表したのは、2013年夏商戦向けスマートフォン発表会の5月15日。
販売の主軸を、サムスンの「ギャラクシーS4」とソニーの「エクスペリアA」に置くと発表しました。

先日、ドコモの6月の販売実績が発表されましたが、6月はツートップ戦略開始後のまるまる1ヶ月間の評価として、はじめてユーザーの反応を判断できる月でした。
で、結果は5,900件の契約数の純減。そして転出数を表すMNP(番号持ち運び制度)動向では、14万6900件の転出超過となりました。

だからといってツートップ端末が売れていないのかと言えば、そうでもなく、エクスペリアAが過去最高の売上を達成するなど、端末自体の売れ行きは好調のようです。
つまり他社からの転入が少ないだけで、ドコモユーザー内の買い替え、ガラケーからスマホへの移行が進んでいるとも考えられます。

1ヶ月の数字だけ見れば、ツートップ戦略は失敗したかに見えますが、新しいiPhoneが秋に発売されることがわかっているこの段階で、ドコモ内での機種変更が進んでいるということは、今後のiPhone発売時にドコモからKDDI、ソフトバンクへ移るユーザーの流出を抑制することには成功していると思います。

ドコモがAndroidスマホに力を入れだした2011年は、2年縛りでAndroidスマホを購入したユーザーが多かった年でもあります。
当時はバッテリー持続時間も短くAndroidのバージョンも低かったため、iPhoneのヌルヌル感を見て不満を持つユーザーも多く、「縛りが切れる2年後にはiPhoneに買い換える!」という潜在ユーザーは結構いたと思われます。

そのユーザーをiPhoneに流出させる前に、このタイミングで囲い込めたという意味では、一定の効果があったのではないでしょうか。
そう考えるとツートップ戦略は「攻め」としては失敗かもしれませんが、「守り」としては成功と言えるかもしれません。

ツートップに選ばれなかったメーカーの取り組み

以下、記事からの引用です。

 「ツートップ以外は相当つらい」。
ある販売代理店関係者は6月に入ってすぐ、こう漏らしていたが、結果はすぐに出た。6月末までのスマホ販売台数はソニーとサムスンの主力2機種で合計123万台に達したが、ツートップから外れたパナソニックとNECはそれぞれ1万5000台、1万台ほどにとどまったという。

端末メーカー側も、嘆いているばかりではない。
「サンプルも出したくない。ツートップは我々への絶縁状でしょ」。あるシェア下位のメーカーでは、新製品に関する事前情報を必要以上にドコモに伝える慣習をとりやめることを決めた。ドコモファミリーの主要メンバーながら、ドコモを通さず、大手スーパーのブランドをつけた「PB(プライベート ブランド)携帯」を売るプロジェクトを水面下で進める企業も出てきている。

ツートップに選ばれなかった富士通やシャープ、パナや富士通も、いつまでもドコモ頼みで行くわけには行かないと踏んだのか、ドコモ離れの動きが見えます。

こうなることはツートップ戦略が発表された時からではなく、それ以前からわかりきっていたことで、国内メーカーだけで似たような機能の端末で競い合っていても、少ないパイの取り合いになることは以前から指摘されていました。

他メーカーの選択肢としては、
1.メーカー同士の合併
2.ドコモ以外のキャリア(KDDI、ソフトバンク)への注力
3.メーカー独自のSIMフリー端末の導入
などがあります。

1.については、すでにNECとカシオなどが合併していますが、思うような効果を得られていません。攻めるどころかシェアは縮小傾向にあります。

2.のドコモ以外へキャリアへの注力については、iPhoneの採用キャリアは、厳しいiPhoneの販売ノルマなどがあるため、KDDI、ソフトバンクもAndroidケータイには力を入れていません。
むしろ、iPhoneの下取りサービスをはじめたりして、iPhoneの販売合戦に力を入れている傾向があり、そこに割って入ることが難しい状況です。

一番、現実的なのが3.の独自SIMフリー端末だと思います。
これだけスマホが普及していても、ガラケーを持ち続けている人がいる一つの要因は、スマホの通信料金の高さでしょう。

スマホはその通信量の多さから、定額制の料金プランは必須となってきます。
各キャリアも端末料金は極限まで下げていても、通信料金までは手を付けていません。
この通信料金部分に目を向けると、イオンSIMなどの格安通信料金のSIMが使える端末に特化すれば、端末の販売は上向くことも考えられます。
(引用記事内の大手スーパーのPBブランドは、おそらくイオンのことではないかと推測されます)

第3のOS、タイゼンの行方

タイゼンとは、サムスンや米インテル、そして日本勢ではドコモが普及させようとしている新型OS(基本ソフト)。ドコモの担当者によると、セールスポイントの一つが、「アプリを提供する側のソフト会社に払ってもらう手数料が割安だ」ということ

ドコモは年末にタイゼンを搭載したサムスン製スマホを発売するため、タイゼン向けのアプリを急いで集めようとしている。タイゼンは「アンドロイドよりドコモの独自サービスが盛り込みやすい」(ドコモ幹部)とされるが、iPhoneの「iOS」やアンドロイドを追いかける「第3のOS」にすぎない。

タイゼンはiOS、Andoroidに続く第3のOSとして期待されていますが、現在のところは手数料の安いOSという位置付けでしかないようです。
しかしこれは、あくまでドコモとアプリ提供者側へのメリットであって、サービス利用者には、あまりメリットもないような気がします。
あったとしてもアプリが手数料分、割安になる程度でしょうか。

これだけiOSやアンドロイドのアプリが普及した中で、タイゼンを導入したスマホが発売されたところで、強力な強みがある訳でもなく、「アプリが若干安くなるだけ」で勝負しようと思っているところに、意識のズレを感じますね。

タイゼンが乗ったスマホを買ったところで、結局使うアプリがGoogleマップやGmailなどの無料アプリばかりって人もいるでしょうし・・・
タイゼンの前途は多難な気がします。

まとめ

今後、この2端末が順調に販売を伸ばしていったとしても、秋には新型iPhoneの発表があるわけで、その時にこのツートップがどういった売れ行きを見せるのか注目です。

2011年に2年縛りを終えたユーザーが、iPhoneに流れるのか、それともツートップへの機種変更で、その流れ出る血は一定の止血効果があるのか。

すべては秋のiPhone次第ってことになりそうです。

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